ロコモティブシンドローム(以下 ロコモ)とは2007年に日本整形外科学会が提唱した概念です。ロコモとは運動器(骨、関節、筋肉、神経)の障害もしくは低下により移動能力が低下した状態の事を言います。ロコモは病気ではないですが、ロコモの困った点は健康寿命(日常的・継続的な医療・介護に依存しないで自立した生活ができる期間)の低下を招く危険性があることです。
誰しも年齢と共に筋力の低下やバランス能力の低下が起こってしまい、移動機能も低下します。またコロナ等により外出機会が減少したことでQOL(生活の質)が低下し、さらに筋力、バランス能力が低下してしまい負の連鎖に陥りやすくなっています。さらに移動機能の低下は身体活動量の低下をきたし生活習慣病や認知機能の低下リスクも懸念されます。
少しでも長く自分らしい生活を送るためには、やはりロコモ予防が重要となってきます。ここでは2つの簡単なエクササイズをご紹介いたします。これらは全国ストップザロコモ協議会などでも提唱されているものです。継続は力なりといいますので、無理ない範囲で皆さんお試しください。
リハビリテーション室
(ロコモコーディネーター)
理学療法士 中川 博貴
*安全のため片手を壁や机について行いましょう。ただし通常は手をつかないで行います。
脚は5センチ程度上げるだけです。足腰の筋力だけでなく、軸足の大腿骨の骨密度も増やすことが医学的に証明されています。
左右1分間づつ、1日3回行います。
① つま先を外に30度開き、膝の向きと足の向きを一致させます。
② 腰を後ろに引くようにして、膝がつま先より前に出ないことが大切です。
*①、②により膝への負担をやわらげます。
難しければ危険を避けるためイスに座り、机に両手をついて立ち座りをくり返すだけでも構いません。
深呼吸するペースで5~6回、1日3回行います。