当科では私と外科部長の西山眞一、副院長の前田宗之の3人で診療にあたっています。外来は月曜日から土曜日で非常勤の先生方と共に診察を行っています。非常勤の先生方に関してはホームページをご参照ください。消化器癌、腸閉塞、虫垂炎、胆石症、鼠経ヘルニア、痔核などの肛門疾患、下肢静脈瘤などの治療や皮下埋め込み型ポート、乳癌検診、胃瘻造設も行っております。
外科ではちょっとした「切り傷」から消化器疾患まで外科領域全般を幅広く診療しております。
つまり擦り傷、切り傷などの外傷や消化器の病気としての大腸癌、腸閉塞、虫垂炎および胆石を治療しております。
また当科では胃に直接栄養剤を注入するための胃瘻造設を行っています。点滴で栄養を取るための皮下埋め込み型ポート(CVポート)の手術も行っています。これは手のひらに乗る円盤のようなものを皮下に埋め込むことにより、そこから点滴で栄養を摂ることができます。このCVポートは点滴するために何回も針を刺さなくてよく、皮下に点滴が漏れることもなく安全に投与できる方法です。
鼠径ヘルニアには標準的な治療法であるダイレクトクーゲル法を行っております。
そして内痔核に対してはジオン四段階注射療法を行っております。
胆石という言葉は非常に一般的でよく「超音波検査で胆石があると言われた」とか「胆石と言われ腹腔鏡で手術した」などとよく耳にすると思います。医学的には胆石がある場合に胆嚢炎になる確率は二割程度と言われています。
だからといって放置してよいもではありません。なぜならその二割に含まれないとは誰にも予想できないからです。私は手術する際に支障となる病気やその他の弊害をお持ちの患者様以外には必ず手術を勧めることにしています。
基本的に胆石の手術は胆石だけを取り除くのではなく胆嚢そのものを切除します。手術方法としては冒頭にも述べましたように腹腔鏡で行います。
腹腔鏡下手術は体に大きな傷をつけることなく、図に示します①〜④の位置に切開を加えて行います。腹腔鏡手術の入院期間は短期間でよく、今となっては胆石に対する標準的な手術法となっております。
腹腔鏡手術のポート挿入部位と術者等の立ち位置
①カメラポート ②術者用ポート ③助手用ポート
臨床雑誌「外科」第78巻9号(2016年) 川邊著 より
ただ、以前に上腹部の手術をされたことのある方は腹腔鏡の手術ではできませんし、胆嚢炎を起こしたために胆嚢の周囲の癒着がひどい場合などは腹腔鏡の手術中に小開腹で腹腔鏡手術を続行するHALS(Hand-Assisted-Laparoscopic-Surgery)や開腹の胆嚢摘出術に変わる可能性があります。腹腔鏡の手術で胆嚢を切除できれば手術後は非常に楽で傷の痛みも少なく手術の次の日には歩くこともできますし、ご飯を食べることもでき、入院期間も短くてすみます。逆に開腹で胆嚢を切除した場合は傷の痛みも腹腔鏡の手術より強く、入院期間も長くなることがあります。よって胆石の症状が出ない前に手術を受ける方があらゆる面でよいと言えます。今後または以前に健康診断や人間ドックで胆石を言われた方は是非ご相談ください。
外傷から胆石症、鼠径ヘルニア、痔核まで様々な疾患を診療します。皮下埋め込み型ポートの留置術、胃瘻造設も行っています。
今後とも幅広く診療したいと考えておりますので何かありましたら、樫本病院外科へお越しください。